この夜が、明けない気がした。
それでも、至極当然のようにいつだって朝はくる




よんさまを送ってからはあっという間に寝てしまった。 夢すらみない。熟睡だ。起きたらいいともがはいってた。もう正午をすぎてたのか。


ふうとため息をつくと弟に「にいちゃん」とケータイをわたされた。 バイブなってた、とだけ言ってまたゲームに戻ってしまった。 生意気。そんなやつにはお仕置きが必要だな。 コントローラーをひょいと取り上げてわざとキノコから負けてやった。 いわゆる自爆。「なにすんだよ!!!」「手がすべった。」「ふざけんなや」 まじぎれしてる。やりすぎたか?まあ、いいや。 まだ叫んでる弟の声を背中に朝ご飯を食べに行く。 (もうお昼ご飯かな)適当にパンをつまみながら、そういえばとメールをみた。 …みーちゃんからだ。「了解。うん、応援してるね!あたしも前にすすみたいなー」という内容だ。 なんて送ったっけ…。まあ、「あたしも」って書いてあるから 「いっちゃん、まえに進みます」的な内容だったんだろう。 「今度どっか遊びに行くか、4人で」とりあえず、そう送ってみた。


いつまでもずるずると引きずってちゃだめだよなー。俺にとっても、むぎにとっても。 とりあえず、外歩いてみよう。逃げの言葉とかいっぱい考えて、正当な理由、必死になって探してみよう。 うわ、俺めっちゃ最低だな。まあ、今に始まったことじゃない。 それからツトムにまた、電話しよう。「ダーリン、新婚旅行はいつ?」って。 ツトムならきっと、旅行の計画たててくれるだろう。 久々にぱーっと遊びたい。うん。4人でまた、どっか行こう。 …そのためにはすっきりしとかないと!!


確実に冷えていく両手をポケットに隠した。雲の流れがいつもより速い。世界が変わる、気が、した。