あたしは今だって
あなたの隣で眠りたい、そう思ってるよ




返せなかったみーちゃんへのメールも、みーちゃんの手を引っ張って 色んなものを捨てていっただろうツトムも、 あたしの隣で笑ってる「沙耶」と呼び始めたいっちゃんも、 未だにあたしの中ではちっとも消化できずにいた。 なんて言えばいいんだろう。こう、歯に挟まってとれない感じ?違和感、みたいな。 これで間違ってたとは絶対思わないけど、合ってたのかな? あーあ、結局今でも迷ってる


いっちゃんと一緒に食べるお弁当。 いつもならみーちゃんと、ツトムとだけど。 昨日、二人でどこかに行って以来、姿を見ていない。 二人とも学校を休んでいるらしい。 何から話していいのかすらわからず、ただ黙々と食べるばかりだ。 だんだん泣きそうになるあたしにいっちゃんは笑った。 「…なに笑ってんの?」 「沙耶、あの二人がそんなに気になるの?」 「そ、りゃあね」 「どう思ってんの?」「何が?」 「うまくいけばいい?うまくいかなきゃいい?」 「そんなの、…わかんないよ。」 ため息でトマトにフォークが刺さりっぱなしになる。 「いっちゃんは?」「ん?」「どう思ってるの?」 「さあね。」にやりと笑った。意地悪だな。 「あ、俺いっこ知ってることあるよ。」 「なに?」「知りたい?」「すごく」 いっちゃんがケータイをぱかっと開いてあたしに1通のメールを見せた。 …みーちゃんからのメールだ。 「よんさまに今日の夕方いつもの公園で待ってるって伝えて、だって」 「なんで、いっちゃんに送ったんだろ?」 「そりゃあ、俺の方が信用してるからじゃない?」 何も言えなくなるあたしに「冗談だって」といっちゃんは苦笑いをした。


夕方あたしは何を聞かされるのだろう。 みーちゃんはあたしを嫌いになったよね。 怒ってるのかな。…ツトムは昨日みーちゃんに何かを伝えられたのだろうか。 色んな不安は混ざりに混ざって、やがて見えなくなってしまった。