買ったばかりの真っ赤なスニーカー。君とおそろいの。


「ばいばい」なんて言われたのは昨日の午後

「明日イタリアに行くんだ」
「な、なんで急にっ!?」
「お父さんの転勤」

電話の向こう側の君は、あんまりにも冷静だ


「かな、しくな、い…の?」


僕の口からこぼれた言葉は貧弱で可笑しいくらい。
涙を飲み込んだことがばれてないといい

「かなしいよ」

あっさりと、君は言う。
冗談のように「ねえ、ひきとめてよ」と言われた
僕だけが、こんなに必死だ

「そんな、簡単に言うなよ!!」
「だって、もうしょうがないじゃない。決まってたことだし」
「いつから?」
「去年の冬」


もっと早くに伝えてくれたら、もっともっと一緒にいれたかもしれないのに



(違う、それは僕の空想だ)



例え知らされていたとしても過ぎていく時間は同じだし、
きっと十分すぎるほど僕等は一緒にいた



(それでも、)



あまりにも不意打ちで、今まで教えてもらえなかったことに
悔しさと寂しさと、悲しさを感じていた

「何時の、飛行機?」

「10時」
「わかった」


それから、少しだけ話をした後、僕は明日の準備をした

よく、ねむれなかった。
君のことばかりがうかぶ
これから、一緒にいられないなんて想像つかない



自然と朝が来て、一番に赤いスニーカーを履いて。走った。


白の平行線


信号にはやく、はやくと祈る。
赤から青になったら、僕は白の平行線をまたいで、君の元へとまた走る

真っ赤なスニーカーは、この色によく映えるな。なんて、思いながら



(07,16)

な、ながい…!!
本当は白の平行線だけを踏んで走るのが好きっていう話になるはずだったのに。
おっかしいなー??
BGMは、夏の名前。(まんまかな?)