君は、嘘をつくのもつかれるのも、嫌いだった。
僕は、嘘をつくのが、得意だった



しろとくろ



「このさいはっきりしてもらおうか!」


由果はまるで漫画みたいに机をばーんと叩いた。
ひっくり返しそうな勢いだった。

「だーかーらー!言ってるじゃん、あん時に限って嘘はついてません」
「嘘だ!」
「嘘じゃない!」


「だってしんちゃん言ってたもん」
「信二が?なんて?」
「あいつはよく嘘をつくから気をつけろ、って!」

よけいなことを、とつぶやくと由果が「ほら!」と怒った。



「だいたいさ、そんなちっぽけなことで嘘つくわけねえだろ」
「何!?そしたら大きなことなら嘘つくの?」
「揚げ足とってんじゃねー」



「どうせ、あたしを好きとか言ったのも…」

「嘘なのでしょう?」と言いかけてた由果の唇を僕の唇でふさぐ。



「ありえないから、それは、安心して」

背中越しに由果の「ずるい」が聞こえた。
今日はそれは聞かなかったことにする。



(08,27)

しろくろ、はっきりつけてよー
嘘をついたのは君のためなんだよ、だから君は知らないままでいい。
だって、言ったら気にするだろう?