傷をつける銀色ナイフ。
僕の右手に握り締めて。
君を傷つけるやつは許さない。たとえそれが世界だとしても。
銀色ナイフ
君と一番最初にかわした約束を覚えているかい?
きっと君はそんなこと忘れたって、知らん顔したってどうでもいいのかもしれないけど
「君を守るよ」
この手を君が離さない限り、僕は君を守るんだよ。
神様に誓ったっていい。
この約束は絶対守れる自信があるんだ。
でもいつからか少しずつ、緩み始めた僕と君の手。
そう、僕は気づけなかったんだ。
このナイフを君が、怖がっていたことに。
「傷つけられるんじゃないか」って君が心配していたことに。
そんなこと、あるわけないのにね。
怖がらせてしまった僕は、この手を握り返すのをためらっている。
「嫌いになる?」
銀色ナイフ、もう捨てるよ。
あいたその両手で、君を抱きしめるよ。
だから安心して君は眠っていいよ。
僕も、君を精一杯抱きしめるから。
(08,28)
気づけなかった。でも、気づけた。
抱きしめた。だからもう、この手を離さないよ