涙をぐっと飲み込んだのは、どっち?
君のかわりに、空が泣いた
雨のにおい
「ゆうたと凛ちゃんってつき合って何ヶ月?」
「もう、別れたよ。つっても一昨日くらいだけどな」
「えっ」
(地雷踏んじゃった!?)
焦って、ゆうたの顔色を窺うと全然平気そうだった
「海外行くんだと。親の都合で」
「へー、すごいね。セレブだね」
「セレブ…なのか?」
「だよ」
凛ちゃんは、かわいくって、老若男女とわず好かれるような子
すっごくいいこで、優しい子。
なんで今まで、こんなゆうたとつき合ってたのかわかんないくらい
「別れようって言ったのは…?」
「凛だよ」
それは少し意外だった
ゆうたが、俺むりだわって弱音を言うのなら想像できたんだけど。
「メールで別れようって言う話がきてさ、」
「うん」
「会って話がしたい、って俺言ったんだけど、泣いて顔ひどいから無理って」
「わがまま、だよなあ」
「わがままなの?」
「わがまま、だよ」
大きな溜息をついた
「離れても好きでいる自信はあったよ」
涙をぐっと飲み込む
(ずるいよ、凛ちゃん)
それからぽつり ぽつりと、コンクリートに染みができてく
「雨だね」
「そうだな」
「今のゆうたみたい」
わらえねーと言って笑った
言葉を選んでるあたしの顔を見て、ゆうたはあたしの頭をぽんぽんと撫でる
全部わかってっから、そう言われた気がした。
なんにもわかってないくせに、ね
「ぱーっと飲もうよ!ソフトドリンク!」
ゆうたの背中をばしばし叩いて、ぐんと前へ押すと
おう、と元気な声が聞こえた。