それはアンラッキー?それともアンラッキー? それとも…?
話は合わない、話しかけても返事はそっけない。
明らかにかっこつけてる自意識過剰な長く真ん中でわけた前髪と、
色っぽい(らしい)唇が、どうも好きじゃなかった。
つまり正直言って、あたしは彼が嫌いなのです
ラッキーガール
そんな彼、大山くんとは席が隣でどんなにイヤでも授業が始まれば逃げれられなかった。
せっかく窓際の一番後ろでラッキーと思ってたのに、隣が大山くんときた。
ハルに「最悪なんだよね」と相談したら「この上ないラッキーじゃない!」と怒られた。
大山くんのファンからは睨まれるし(どこがいいんだか)
あーあ、ついてない。
さて、クエスチョンです。
あなたは嫌いな人と席が隣になりました。
彼は消しゴムが落ちたことに気づいていません。
シャープペンの後ろで消し始める始末です。
しかもよりにもよってその憎き消しゴムは、あなたの足元に転がってきました。
あなたは拾いますか?拾いませんか?
(気づけーっ!)
精一杯、目で念を送ってみる。
気づかれてもあたしの足元にあるから、気まずいんだけど。
先生の話が右から左へ流れてるあたしとは反して大山くんはまじめに聞いている(ように見える)。
(…なんていうの?)
(こういう時に人間の真の姿が見えてくるのよね)
(あーあ、あたしって超いい人!)
自惚れながら、机を少しずらして足元の消しゴムを拾う。
3本の指で包まれた消しゴムは、静かに大山くんの机の上に無事着陸。
それに気づいた大山くんはすごくびっくりした顔であたしをまじまじと見つめた。
何よ、やるの?なんてガンをとばすあたしに対して、
照れたように「ありがとな」 はにかんでそう言った。
顔が 頬が、熱くなる
「ど、どういたしま し、て」
あたし、必死すぎ。
大山くんの視線は先生へと戻り、あたしの視線もいつもの窓のむこうへと戻る。
ただ、ドキドキするあたしの心臓だけがなぜか平常に戻ってくれやしないのです