ノーカットでお送りします
青春は一体全体、何のことを指すのだろう。
花の女子高生にもなって、私は未だに恋をしていない。
恋愛だけが全てじゃないけどさ、それでも寂しいわけですよ
甘いあまい、イチゴミルクを一気に飲み干して、私はそう考えていた。
クラスにも仲の良い子はいるのだけれど
やっぱり一番気があうのは、中学からの友達である真由だった。
真由は美人で絵がうまくて本も好きな子。
恋愛とかには鈍感って言われる私だけれど、真由がもてるのははっきりわかる。
こんな良い子なかなかいない。
私は真由に甘えすぎな程、色々相談したりするのだけれど、
真由は私にあまり相談をしてくれなかった。
それが少し寂しくて歯がゆい。
私の後ろの席は伊藤くんだ。
この席になって始めて喋った。伊藤くんはなかなか面白い。
よく牛の胃の謎だとか、世界史の先生のかつらの話だとかを
つまらない授業の時にしてくれる。それも面白可笑しく。
なんとなく気になるなあとは、思った。
でも恋とは何か分からなかったので、気になる。それだけ。
「なー舟家さんはさあ、好きな人とかいる?」
「えっ。なんで?」
顔が赤くなりそう。やだやだ。
「僕さあ、めっちゃ好きな子いるんだよね」
あ。
ちょと傷がつく。ずきずき。いたい。
なんともない顔をつくる。
「ふーん、誰?」
「7組の横峰っていう子」
「え、真由?私友達だよ」
真由、もてもてだなあ。
なんか心がもやもやする。なにこれ?
「本当に!?」
「中学が一緒だったの」
「へー、紹介してよって言いたいとこだけどやめとく」
「どうして?」
「僕には作戦がありますから。」
「無駄だよ。」
「…舟家さん、言いますね」
「わたしにしなよ」
ぽろりと出てしまった、言葉。
わたしにしなよ。
言わなきゃダメだと思ったら簡単に零れてしまった。
「私にしたら、いいと思う」
「ぷっ、いいと思うの?」
「私すごい青春を損している気がして」
当たらずとも遠からず。
誤魔化すように言葉を続けた。
「なんて、冗談だよ」
「知ってるよ。舟家さん面白いね」
ああ、私なんて間抜け。
しかも少し本気気味だった告白は
冗談だと思われ、面白いとまで言われてしまった。
でも今はこれでいい気がした。
なんだ、ちょっと青春してるじゃん、私。
教科書で口元を隠してにんまりと笑った