寒空の下、澄んだ星を見上げて歩く帰り道。
18時をまわってしまえば、あっという間に闇になる。
止まらない鼻水をすすりながら、立ち止まって空を仰いでいると、
いつの間にか隣に同じように空を仰いでる君が立っていた。
それはもうあたりまえのように。
「ゆうたみたい。」
「何が?」
僕がきょろきょろ僕に似ているモノを探すと、
君は高い空を指さした。
「あの、星が」
「え、星? どこが?」
「あんなに仲間がたくさん周りにいるのに、誰とも手を繋ごうとしないとこ」
「ふーん…」
なんだよ、僕輝いちゃってる?とか喜んだのに、勘違い。
逆にダメだしされてるし。
君はまた、ぽつりぽつり落とすように口を開く。
「孤独主義なの?」
「そんなつもりはないけど」
「自覚がないだけ?」
「アイ、言うね」
「だって斉藤くんも准貴くんもあんなにいい人達なのに、
ゆうたが頼ろうとしてること、見たこと無いよ?」
(そんな風に思われているのか…)地味にショックだ。
アイはずっと見上げて、キスをするかのようにきれいな瞬きをする。
睫が長いせいでぱしぱしと音でも聞こえそうだ。
「この間も、手伝ってもらえばいいのに
先生の荷物ひとりで全部運んでるとこ見てたよ」
「ああ、一人で持てる量だったしね」
「ほんと、まじめだよね。あの二人の方が筋力絶対あるのに」
「ひどいなー!僕そんなに か弱くないよ?」
「そうじゃなくて。遠慮でもしてるの?」
「うーん。頼まれたら、やっぱり面倒じゃん。」
「斉藤くんと准貴くんに手伝ってって言われたら、
ゆうた面倒だと思う?」
「思わないけど」
「きっと二人もそうだよ。いいじゃん面倒を共有するくらい」
こんなにもアイが自分のことを考えていただなんて意外だった。
よく見てるなあ。
こんな風に一生懸命僕のことを言ってくれる人は初めてだ。
「サンキュ。」
「なにが?」
「でも、僕はあの星にはやっぱり似ていないかな」
そういうとアイは少し口をとがらせて、またまじめなんだから…とぶつくさ言っている。
「そうじゃなくて、例えば僕があの星みたいに自ら手を繋がなかったとしても
アイみたいなお節介がいるから繋がっちゃうってこと。」
「嫌ってこと?」
「しあわせってこと」
Twinkle Twinkle Little Star
ふうんと少し照れたように笑う瞳に、あの遠い星ではなく僕がうつる。
静かに僕も君の瞳の中で輝けてるといいなと、
照れて空に視線を移すと流れ星がひとつ、ながれた。