ゆっくりお話でもしましょう
メールがこないことが、私のことを嫌いだということにはならないってこと、
知ってるよ。ちゃんとわかってる。
でも何度もケータイを開いて、新着メール問い合わせ 何度も押してしまう。
君以外の着信音が鳴り響いても意味ないんだよ、
今なにしてるのかなあ、昨日も会ったのにもう寂しいよ。
君の声が聞きたいよ。
「言えばいいじゃん」
「えー…、なんて?」
「メールしてって」
「やだよ」
里くんは「なんで?」とにやにや。 わたし、からかわれてる?
「だって、嫌われたらいやじゃん」
「そんな薄いのか!お前らの愛は!」
「ちがうもん!そうじゃないもん!」
「じゃーなんで」
「重いって、思われたくない」
「まーたしかに重いわな。俺なら思う」
「でしょう? 私も思う。」
「思うの?」
「だって、元彼の時はメールうざかったもん」
「ああ、そうなの?」
「こんなの初めてで、なんかもーだめだー」
「へー、そう。小松は彼氏のこと大好きなのな」
「…付き合ったばっかりだしね」
「ふーん」 また、にやにや。
でもどうでもいい私の悩みをちゃんと考えてくれてるの知ってるよ。
面倒だと投げ出さず、いつも最後まで聞いてくれる。
ほんと、いいやつ。私ほんと、だめなやつ。
「ごめんね里くん」
「なにが?」
「くだらない話につき合わせて」
「ああ、気づいてたの?」
「ちょ、」
「うそうそ。」
「ほんとはわかってるんだよ、言えないくらいなら思わなきゃいいこと」
「そううまくいかないから悩んでるんだろ?」
「まあ、そう なんだけど」
「いいじゃん、言えば。すっきりするっしょ」
「もー、ほんとありがとー!」
「どういたしまして、帰りコーヒーな」
「…いいけど!」
「里くんは彼女とどうなの?」
「けんかばっか」
「え、」
「ていうかいっつもあっちが勝手に怒ってる」
「何に対して?」
「私以外の女の子としゃべらないでって」
「え…わたしじゃん!」
「違う違う、あいつは見境ねーの。」
「そうなんだ」
「じゃあお前は男と話さないのかって聞いてもそれは別だって」
「あらまあ」
「うまくいかないねー」
「ほんとねー」
「とりあえずさ」
里くんはなんともなく笑って「メールだけでもしてみれば?」
「なんて?」
「コーヒー飲まない?みたいな。」
「…してみる」
「おう、がんばれ」
「じゃあ里くんもしてよ」
「なんて?コーヒー飲まない、って?」
「そう。そんで二人でゆっくり話して。
大事なのはお前だけってちゃんと教えてあげて」
「…まー、たまにはそれもいいなー」
「うん、たまにはね。」
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