そこから先はふたりだけのひみつ、あまいひみつ



生意気なやつ、が第一印象。
だって高校生のくせにピアスなんかしてんだぜ?そりゃそう思うわ。
長く黒い髪で隠されたピアス。耳をかきあげた時にだけ見えるピアス。
なんか、えろい。


ピアスとセーラー服


「は?えろくないわ、別に」
「お前さー、どうしてこうも生意気なわけ?」
「なにが」
「口が悪いって言いたいのー」
「うっさい」
「俺お前の4個も上なんだけど」
「おっさん!」
「おい」
「きゃはは、うそだよー」

隣でケラケラ笑う、あゆみ。つられて、頬が緩む。

「てかゆーちゃん4つも上なんだね!」
「おうよ、お前いま18だろ?」
「うん。ゆーちゃん22歳?」
「そ、大人なんです」
「犯罪?」
「…いや、ギリ大丈夫だろ」
「ゆーちゃんうける!ちょっと焦ってる!」
「るせーな、」

話してる間に探るように俺の左手をつかまえて、指をからめる。
あゆみの指は華奢で強く握ったら折れてしまいそうだ。
少し力をこめると、同じかそれより少し小さな力で握り返される。
冬の冷たさに冷えた手。風がひとつふいてあゆみの耳がきらりと光る。
ああ、 心臓が大きく音をならす。
4つも下の、未だ制服のこどもにどきどきしてるなんて、
恥ずかしいような照れくさいような。だけど仕方のないことのような。

「お前さ、俺のこと大好きだろ」
「なにさ急に」
「べつに」
「あそー。でもゆーちゃんもあたしのこと大好きでしょ?」
「べつに」
「そうやってまた!素直じゃない!」
「ははは、俺基本嘘つきだから」
「ふーん。まあいいけど〜。」

口を尖らせる、ほんと子供。だけどかわいい俺の彼女。
階段を上って、手をほどいてそのまま鍵を開けて、
「おじゃまします」のあゆみの声を遮るように後ろから抱きしめる。
びっくりして堅くなったあゆみの肩の力がほどけて、頭をもたれる。

「ゆーちゃん、子供みたい」
「は、なにが」
「おしえなーい」
「あ、そ」
「…すきだよー」
「知ってる」

耳元のピアスをかじる、ひんやり口の中でしみ込んでゆく。
あゆみは小さく声をあげて「くすぐったいよ」と笑う。

「やっぱえろいな」
「変態」
「うっせ」
「きも」
「きもくない」
「かわいー」
「だろ?」
「うざー」
「あゆみ、」
「ん?」