だけどキミは確かにそこにいたから
触れたのはワタシ。
愛したのはアナタ。
ずっと一緒にいれないと思っていたの。
ずっと一緒にいれると思っていたの。
それは不思議なこと。
それはとても幸せなこと。
いつも一緒で、いつだって触れられる。
思いも感情もすべて上手に伝えられるから
もう何も必要ないのだと思っていた。
真っ白な世界、アナタと向き合うそれだけの世界。
アナタは優しいから大丈夫だよと笑ってくれるけれど
ワタシは泣くの。アナタのヌクモリが怖いと泣くの。
生ぬるいだけの水中、いつか溺れてしまうでしょう?
上手に伝わらなくなってしまった言葉。
どれだけ吐きだしたところで、泡となりはじけて消える
ただ想えば伝わるのだと思っていた言葉は
もう、なんの意味ももたない。
だからアナタにサヨナラを決めた。
消えない気がして、甘いナイフをつきたてた。
だけれどアナタはそれでも笑う。優しく、「愛してる」と笑う。
ワタシと同じ青い髪の、同じ瞳のアナタが わらう。
ナイフはわたしの
心臓を突き刺す。
つきたてたナイフは、まっすぐワタシの心に刺さる。
アナタを想うには、アナタに想われるには
あの水槽は大きすぎて、ワタシの心に収まりきらなかった。
だけれど空気を吸えばまた、あなたがいる気がして
何度も何度もアナタの笑顔を探す。
あんなに傍にいたのに。
突き放したのはワタシなのに。
いつだってそこにアナタはいたの。
ただ白い世界にふたり、ワタシとアナタ、幸せだったの。
だけれどワタシが選んだのはワタシ。アナタじゃない。
選んだワタシはアナタを探す。
アナタの笑顔の真似をしながら。「愛してる」と笑いながら。
そうやって、泣きながら。